
CNC集塵機の作り方(1)
CNC3018Proを買って半年経ちました。最初はアルミ板など削ってましたが、最近はもっぱらMDFです。削りやすいし材料も安いから。MDFを削ると大量の削りカスが出ますが、これを集める集塵機を作って、長らく使ってますので、この作り方の3Dモデルデータを公開しておきます。3Dプリンタがあれば、印刷して同じものを作れます。
目次
集塵機の全体像
CNCに取り付ける部分と、掃除機などで吸って集める部分と、大きく2つに別れます。今回は、CNCに取り付ける部分のお話。掃除機で吸う側は次の機会にします。


CNC3018Proにどうやって取り付けるか?
まず、動き回るヘッドにどうやって安定して取り付けるか、です。ガッシリ取り付けたいけど、メンテナンス性も良くしたい。ヘッドの周りをよく見ると、左側に棒を差し込めるようなスリットがあります。ここに上から台座を差し込めば、取り付けも取り外しも簡単そうです。

台座の制作
これが真ん中のスリットにちょうど刺さる台座です。印刷しやすいように逆さまになってます。穴はネジ止めするために用意しましたが、結局、使っていません。これにいろんなパーツをくっつけて拡張します。3DモデルのSTLファイルをZIPで圧縮して置いておくので、ダウンロードして使ってください。

ホース接続部の制作
蛇腹ホースを台座に固定するホース接続部を作ります。ホースが円形なので、円筒形の筒にして、下の先端は丸いボール型にして、下に更にいろいろ取り付けられるようにします。ホース接続部と台座は、適当な接着剤でくっつけます。私はいつも、「ドロドロボンド」と呼んでいる、ABSをアセトンで溶かした溶剤を使います。3Dプリンタで印刷する部材がABSなので、それと同じ成分だと溶着したように、とてもよくくっつけます。

これは印刷しやすいよう2つのパーツに分けてあります。左の短い管を、右の下側に接着して、それがホースと接続する部分になります。

台座とホース接続部を接着すると、こんな感じになります。ヘッドのスリットに上から差し込んだり抜いたり簡単にできます。

丸形連結ノズルの制作
最初に作ったノズルは、短い筒を連結して、長さと角度を自由に調整できる、丸形連結ノズルでした。工作機械の油注しのノズルに似たようなものがありますが、あれを参考にしています。出来上がりはこんな感じ。自由度が高く、エンドミルのすぐ近くに簡単に持っていけるので、割と便利です。長いのと短いのの2種類があるので、適当に組み合わせて長さを調整します。ただ、1つ弱点があって、連結するためにボール状の部分と管の部分がありますが、管の部分がどうしても細くなるので、大きな削りカスが詰まることがあります。


角型カーブノズルの制作
これは最近作ったもので、厚さ6mmのMDFを削るときに、いつも同じ深さなので、1本のノズルにしたほうが、取り扱いが簡単なのと、丸形連結ノズルと違って、くびれがないので、ゴミが詰まりにくいという特徴があります。1つ難があるとすれば、自由度がないので、削っているとき押さえの部材にぶつかると、避けるのが下手なことです。その点、丸形連結ノズルは、曲がる部分が多いので、なにかにぶつかってもフニャリと避けて、ときにはバラバラになるので、掘削の邪魔になることがありません。

曲がっているうえに、ボールジョイントがあるので印刷しにくいです。こういうときは左側のように分解して印刷して、あとでくっつけます。

洗濯機ホース接続部の制作
蛇腹ホースは直径20mmぐらいで、そのままでは掃除機などの大きな口径につなぐことができません。なので、接続するアダプタが必要です。これも印刷しやすいよう2つに分けて、右の小さい輪を、左の底の部分に接着します。太いホースは洗濯機の排水を延長するホースです。


購入部品一覧
ここまで制作するのに、3Dプリンタで印刷するものを除き、別途購入するものは以下のとおりです。
蛇腹ホース
内径19mm、長さ1.5mの柔らかいホースです。CNCのヘッドが動くので、なるべく抵抗がない柔らかいものを選びました。この内径に合わせて、蛇腹ホース接続部と、洗濯機ホース接続部は設計してあります。

洗濯機ホース
これは洗濯機の排水側を延長するホースです。太さはどのメーカーもだいたい同じみたいです。一番メジャーなカクダイのを使いました。
まとめ
というわけで、CNCに取り付ける部分はできました。台座があるので、工夫次第で色んなものが取り付けられると思います。次回はサイクロン型の掃除機側を解説します。