みんなが気にしないEVの充電効率

EVに乗っている人は1kWhで何キロ走れるか、という数値に敏感ですが、充電するときの効率について話題にしているのはほとんど聞いたことがないです。EVのバッテリーに貯まった電力で何キロ走るかは大事ですが、バッテリーに貯めるのに何kWh使ったのかも気になりますよね。それが充電効率です。

充電する時間帯

せっかくなので充電するとき電気代が安いほうがいいです。いくつか試しましたが東京ガスの時間帯別プランを利用しています。夜1時から6時までの5時間だけ、他の時間帯より安いプランです。下記はある月の請求内訳ですが、請求金額を使用量で単純に割ると、1kWhあたり29.45円ぐらいになります。これは料金が高い時間帯も含めてなので、1時-6時の間の単価は更に小さいことになります。

時間帯別プランの請求内訳例

消費電力量≠充電量

家充電では100Vと200Vのコンセントから充電できます。100Vで充電したとき電力計をつけて自動で1-6時間の消費電力を計測したことがありました。スマホのテスラアプリでは充電した電力量はkWh単位でしか表示されず小数点以下の細かな数字がわかりません。それでも数日連続で充電して計測したところ、100Vで充電したとき充電効率は75%程度であることがわかりました。充電に30円費やしたと思ったときは実は実際には40円分の電力を消費しているのです。

そして、200Vでの充電でも電力計で消費電力を測定してみたところ、200Vでは充電効率が86%程度であることが判明しました。このとき30円費やしたと思ったら実は34.9円ぐらい使っていることになります。

充電効率は何できまる

バッテリーは直流なので、交流で充電するときは直流に変換する必要があります。また今のテスラ車のバッテリーは400Vシステムなので、100V、200Vから400Vまで昇圧する必要もあります。この2つの要因から400V直流にする効率、さらにバッテリーに充電されるときの効率も相まって実際の充電効率になると思われます。100Vと200Vで充電したときの効率は200Vのほうが良いのは、昇圧の効率が高くなるためでしょう。200Vで充電したほうがお得ということになります。

電流量は効率に影響するのか

充電するときテスラ車はアプリで何Aを流すか設定することができます。まずは充電器側が最大何Aまで流せるかを車に教えて、車はその範囲内で何Aを使うかを決めるような仕組みです。テスラ純正のモバイルコネクタは最大13Aまで流せますが、中華製の充電器では16Aまで流せるものがほとんどです。モバイルコネクタは安全を見込んで13Aに制限しているのでしょう。一般に家庭用のコンセントの定格は15Aだからだと思います。

200Vコンセントでモバイルコネクタ13Aと中華製充電器15Aで充電効率を計測してみましたが、どちらも85%近辺で違いが認められませんでした。電流量は充電効率にあまり影響は与えないようです。

モバイルコネクタで充電中
中華製充電器で充電中

電気料金プランの比較

これまで3社のプランで電気料金を比較しました。一見やすそうなプランでも1ヶ月使ってみるとそれほど安くなかったり、高かったりします。結局、東京ガスの時間帯別プランだと時間が決まっていてスケジュール通りに充電できるし、燃料調整費が割引に効いてトータルでお得感があります。

電力プラン特徴
東京ガス 時間帯別プラン夜1-6時の間が日中より安い。時間帯が決まっているので車の機能の充電予約スケジュールで効果的に安い時間だけ充電できる
Looopでんき スマートタイムONE以前は夏場の天気がよい時間は確かに安かったが、最近は特段やすく感じないし高い日が多い。天候や曜日で安くなる日や時間帯がバラバラなので充電スケジュールには合わない
オクトパスエナジー シンプルオクトパス冬場に使わない事務所に契約。基本料金がなく消費電力量が少ないとお得感が出るがEVで大量に充電するには向かない。

LooopでんきでEV充電すると?

このグラフは2025年4月12日のLooopでんきが発表している電気料金単価の目安です。この金額に固定費を加算したものが実際に請求される料金になります。

Looopでんきの単価目安

下のグラフは⽇本卸電⼒取引所が公開している東京電力管内の取引単価です。10時から13時が0円なのは天気がいいので電気が余っていて誰も要らないからです。Looopでんきの電気料金の単価目安はこれと同じものです。

⽇本卸電⼒取引所 東京エリアプライス

実際には単価目安に固定費(ときどき調整される)の20.96円が加算された料金が請求されるので、それをグラフにすると以下のようになります。30円を割り込むのは8時から15時30分までで、この間に充電すれば安いのですが、出かけていることも多い時間帯だし、天候に左右されるのでお安くEVを充電するには扱いにくいです。昼間は家にクルマが置いてあり、朝夕の送り迎えや週末にだけ使うような使い方ならお得になるかも知れません。

Looopでんきの実際の請求単価