
テスラ モデル3のAWD性能テスト
テスラはモーター駆動なのでタイヤに掛けるトルク調整は俊敏です。エンジンが動力源だとエンジン回転を瞬時に変えられないので、エンジン出力を上げた状態でタイヤのブレーキを摘むぐらいしかトルク調整できません。どれぐらい雪道に強いのか、大寒波が襲ったあとの白骨温泉にテストに行ってきました。スタッドレスタイヤはNokian ハッカベリッタR5 EVです。
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事の発端はYouTube
EV_NativeさんというYouTubeがいるんですが、テスラのモデルYのODBの数値を表示しながら札幌の雪道を走っている映像があります。この数値を見ているとフロントとリアのタイヤに掛かるトルクの数値が目まぐるしく変化していて、1/100秒ぐらいの精度で調整しているのが分かります。エンジン車でこんなことできません。エンジン自体が俊敏に反応しないしブレーキで調整してもここまで反応は良くないです。この制御のおかげでとても雪道に強いみたいです。
Audi Quattro と比較
モデル3のデュアルモーターとAudi A4 クワトロを比較したビデオもあります。いろんなスリップパターンで脱出発進できるかテストしてるのですが、モデル3はスリップしないように制御しているのに比較して、A4は勢いで脱出しようとしているように見えます。とくにタイヤ3本が滑って1本しか接地していない状況ではA4では進みません。輸入車では悪路に一番強いと思っていたクワトロでもデュアルモニターには敵わないみたいです。
大寒波の白骨温泉へ
2025年2月、大寒波がやってきて日本海側は大変な大雪です。白骨温泉はまだ長野県側なので積雪はありますが行けそうなのでテストしにいきました。国道158号線はほとんど雪が溶けていましたが、白骨温泉へ続く県道300号線はまだまだ雪が残っています。除雪されてますが圧雪とアイスバーンの混合状態。一番の難所だと思っていたZ坂よりずっと手前のカーブでFRのワンボックスが坂を登れずに立ち往生、バックして退避したのを見届けて内側の結構な勾配のついた部分からふんわり発進しましたが、一瞬空転したあっさり登れてしまいました。あのトルク制御は本当みたいです。
気温マイナス9度で一晩放置
白骨温泉の宿に到着して極寒にモデル3を一晩駐車場の置いておくとどうなるのか。極寒といってもマイナス10度ぐらいの世界なのでとんでもないことにはならないだろうと。マイナス3度ぐらいからだんだん冷えていって朝にはマイナス9度に。駐車したときは64%だったバッテリー残量は2%減って62%になっていました。なぜ2%減ったのかはわかりませんが、バッテリーが冷えて電圧が下がり残量が減ったように見えるのだと思います。不思議なのは外気温より車内温度のほうが低い。自宅の駐車場に充電プラグを挿して置いておくときは、外気温と車内は同じか、車内が1-2度ぐらい高いことが多いのに。

回生ブレーキが効かない
宿をチェックアウトして県道300号線を戻るのですが、ぜんぜん回生ブレーキが効きません。まるでニュートラルに入っているかのようにアクセル離すとスーッと走っていってしまいます。県道158号線に戻って5分ぐらい走ったら徐々に回生ブレーキが復活してきて、これぐらいまでなら回生ブレーキで電力を回収できますよ、というディスプレイの点線がだんだんと短くなっていきます。普段はまったくフットブレーキは踏まないですが、こんなに踏んだのは初めてです笑。
結論
車高が低いので雪深い道はダメそうですが、圧雪や凍った道なら楽勝に行けそうです。モーター制御って凄いわ!って感じです。これがタイヤ1本1本にモーターがついていたらもっと緻密な制御ができそうです。