
テスラ モデル3のハンドリングはピカイチ
初めて試乗したときに、なんてハンドルを切ると鼻先が簡単に曲がるクルマなんだと感じましたが、それは鹿を避けるエルクテストでも証明されているようです
鹿を避けるテスト
エルクテスト・ムーステストと呼ばれているようですが、高速走行時に突然目の前に現れた鹿をハンドル操作で避けるテストは海外で一般的に行われています。日本ではあまり馴染みないシーンなので(北海道は別でしょうが)JNCAPなど衝突テストには含まれません。自分も一度、鹿をはねて10数メートル鹿をぶっ飛ばしたことがあります。このときは眼の前5mぐらいに飛び出してきたので避ける暇もありませんでした。
富士山周辺では鹿が増えすぎて、道端に鹿がウロウロしていることがよくあります。海外でも田舎道で鹿に遭遇することがよくあるので、緊急で鹿を避けるエルクテストは割と重要視されているようです。
テスラ モデル3の重量とモーメント
テルラ モデル3の重量は1840kgで、軸重は前後とも920kgで50:50の理想的な重量バランスです。また一般的にEVは車重が重いと言われますが、2トンを下回る車重は中型ハイブリッドガソリン車1700~1800kg台と大差ありません。例えばトヨタ クラウン(クロスオーバー)は1760kg~1910kgです。これはE350カブリオレの車検証ですが、車重は1790kg、軸重は前が920kg、後ろが870kgで、前のほうが50kg重いです。前が重いのに後輪駆動なので雪道には弱いです。

これはモデル3の車検証ですが、車重は1840kg、軸重は前後とも920kg。50:50の理想的な配分です。

軸重が50:50はBMWのクルマにもよくある数値ですが、どのメーカーもヨーモーメントについて公表しているところはありません。同じ50:50だとしても重い部分が中心から遠くにあるときと、中心に寄っているときでは、中心に寄っているほうがヨーモーメントが小さく旋回しやすいです。つまり、ハンドルを切るとパッと向きを変えやすいということです。

セダン10台のエルクテスト
モデル3を運転していて一番ヨーモーメントの小ささを感じるのはくねくね山道の下りです。富士山の富士宮方向へ下っていく道は結構くねくねしていますが、これまでのクルマではエンジンブレーキを効かせながらカーブでハンドルを切っても前輪が横に滑っていくような感触がありました。モデル3はそんな感覚がまったく無くヒョイと向きを変えて曲がります。数値で示すことが難しい感触ですが、以下のYouTubeのムーステストで最後に登場するモデル3は抜群の成績を収めているのを見ると間違いないと思われます。EVは大きなバッテリーを積んで2トン以上車重があるのも珍しくなく、ガソリン車からEVにコンバートしているシャシーもあるので、緊急回避という点では不利になるクルマもあります。