CNC

CNC3018 Pro拡張計画(1)

eBayでCNCを買って、いろんなものを削ってきました。表札、PCB基板、スマホケース、トイレットペーパーホルダー、猫の体重計。それで、猫の体重を自動で測る体重計の板。これが大きくて30x40cmあります。CNC3018 Proのワークエリアは横30cmありますが、縦が20cmほどしかありません。40cmの板を掘るにはひっくり返す必要があります。そうすると位置決めが難しいという問題が。もっと縦の可動範囲が広がればいいのに。待てよ、可動範囲を制限しているものは、リニアの棒とネジ。これを伸ばしてしまえば、40cmぐらい動くんじゃない? という安易な考えで、この計画はスタートです。

パーツを探す

組み立て式のCNCや3Dプリンタの材料は共通のものが多いです。材料は中国に行けばいっぱい。ならAliExpressにいけば見つかるだろうと探します。必要なのは、横の黒いフレーム。ワークエリアを支えているツルツルの棒。それを移動する長いネジ状の棒。これらは現在30cmなので50cmに延長します。30cmなのに可動範囲が20cmしかないのは、ワークエリアを支えているリニアベアリングが当たって止まってしまうから。単語でCNCや3D PrinterのPartsで検索してるとたくさん出てきます。

棒を探す

この部品はリニアシャフトやレールガイドと呼ぶみたいです。一杯出てくるので長さ50cmで安くて早く届きそうなところから買いました。直径は8mm(これが後で悲劇を呼ぶ)。 

リニアシャフト

ネジの棒を探す

この部品はリードスクリューと呼ぶらしいです。これも直径が8mm、T8と呼ばれるものを選びます。(これも悲劇を呼ぶ)

リードスクリュー

フレームを探す

この部品は2040 V スロットアルミ異形押出フレームと呼ぶらしいです。なんにでも使われ、よく見かけるアルミ棒です。レーザー彫刻機、3Dプリンタにも。

2040 V Slot

このリニアシャフト2本、リードスクリュー2本(1本でいいんだけど、どうせ値段がさほど変わらないので)2040 V スロットを2本。これら全部で4500円ぐらい。4月16日に注文しましたが、全部揃うまで3週間以上かかりました。いま、新型コロナウイルスで、輸送状況がよくわからない事態になっています。

部品は揃った、改造だ

全部の部品が揃ったところで、改造に取り掛かります。ところが、ここで問題が発生。リニアシャフトの太さが違うようです。もともとのCNC3018 Proのは直径が10mm。つまりT10。買ったのは8mmでT8。これでは無理です。しかたなく、またリニアシャフトだけ注文し直すことにします。T10で長さ500mmのやつを選んで注文。2本買い直しにかかったお金、1670円ぐらい。

無駄になったリニアシャフト

リニアシャフトが届いた、改造だ

また3週間の月日が流れました。今度こそ改造です。台になっている部分を分解して、シャフト、スクリュー、フレームを外して、上の横に可動する部分はそのまま残しました。 スクリューを外して買ったのと見比べると、なんか違います。太さはノギスで測って間違いなく8mm。しかし、ネジの雰囲気が違う。

スクリューを比べてみたところ

ネジの切り方が違います。上は元々のスクリュー。下は今回買ったやつ。山の間隔は同じ。調べてみると、山の間隔はピッチと呼び、今回は2mm。つまり2mm間隔です。ネジの進み具合に関係するのはリードと呼ぶらしいです。元々のリードは4mm、買ったのは2mm。棒が1回転する間に、山が何ミリ進むかがリード。つまり、全く同じものを買うには、T8 リード4mmピッチ2mmを買う必要がありました。ピッチは気になっていたのですが、リードまで気が回らなかった。がっくり。また注文し直しです。

無駄になったリードスクリュー

できるところだけ先に

また3週間かかるので、先にフレームとシャフトだけ組み上げてしまいます。スクリューは最後に差し込むことができるし。フレームは真ん中に穴が開いてますが、ネジは切ってありません。同じ方法で組み立てるにはネジを切らないといけないです。シャフトも両端にネジ穴が開いてます。このシャフトは硬そうなので穴を開けるのも大変そう。ここは3Dプリンタで台座をつくって固定する方法にします。

シャフトを支える台座

こんな形の台座を4個作りました。フレームに棒がネジ止めされている状態に、この台座を通して、4箇所穴をあけてネジ止めすれば、シャフトの位置は狂いません。

前後にフレームに台座を取り付けたところ

フレームにネジ穴を開ける

ネジを切るなんて中学校の技術家庭でやって以来です。道具がないのでAmazonで買いました。タップとダイスのセットで、ピッチゲージも付いてます。2750円

タップ・ダイスセット

元々のネジをピッチゲージで測ってみます。0.8がピッタリ合います。太さはノギスで測ると4.7mmに見えるのですが、M5のネジと同じ太さなので、このネジはM5x0.8のようです。そうすると下穴は並目4.2mmか細目4.5mmなのですが、うちには4.5mmしかないので、これでいきます。

M5x0.8のネジとピッチゲージ

タップや穴にオイルを注しながら、4.5mmのドリルで下穴を開けて、タップを180度回して90度戻す、とネジを切っていくと完成。無事、ネジが締まるようになりました。

ネジ穴完成

可動範囲がちょっと足りない

下回りのフレームだけ組んでみます。端から端までワークエリアを動かしてみると37cm。あと3cm足りない。うーん、全体の長さを600mmにしとけば40cmは届いたか。

可動範囲は37cm

邪魔をしているのはワークエリアの4箇所のリニアベアリングで、この間隔がもっと狭ければもっと動ける。しかし狭くすると安定しないし、傾きも出てくる。

裏の様子

改めて削りたいデザインを測ってみると、縦方向に350mm動けば大丈夫。20mmの余裕があるのでなんとかなりそう。

削りたいデザイン

そんなわけで、最終的な組み立てはスクリューが届いてから。3週間後です。