水中ロボコンを見てきました

ロボコンと名の付くものはいろいろあるんですが、水の中をロボットで競技する水中ロボコンは、これしかありません。昨年、これを見に行こうとしたら、観戦申し込みが締め切られていて、2年越しで実現しました。場所は海洋研究開発機構JAMSTECの大きなプールです。国の機関だからでしょうね。入門者全員の申請が必要なんです。
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かなり大きなプールでして、水深は半分が1.5mでもう半分が3.5mぐらい。水中にはレスキューのダイバー2名が待機しています。そりゃ、この深さで素人が入っていくのは危ないですからねぇ。
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ロボットだけあって電気じかけ。だから水は大敵なわけで防水にかなりのお金が掛かるので、ロボット制作費用も高額になりがちです。なかなか一般人がホイホイ参加できる感じではなさそう。ほとんど参加者は大学で、自由演技のフリースタイルには一部高校生も出場しています。
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この方は唯一の民間企業でどこかの設計事務所の社長さん。ラジコン操作の水中ロボット、まあ、潜水艦みたいなものですが、操って楽しそう。水中だと電波が届かず条件にもよるけど、真水で5mぐらい、海水だと3mぐらいしか届かないそうですよ。 だから、電波が途切れると自動的に浮上するシステムになっているんだとか。
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海外勢もいまして、国立台湾大学からの参加。ロボットの形はマンボウみたいな魚型。日本のチームは潜水艦のような形が多いのですが、珍しく魚型です。そもそも基本的な考え方に違いがあるようで、日本チームは前後左右のあらゆる方向に進めるよう、沢山の推進装置スラスターが付いていて、その向きを変えて操る方式。 台湾チームは泳ぎながら方向を変える方式で、泳がずにそのまま潜るという操縦はできません。潜るには前進して胸ビレを倒して水流を使って潜ります。 設計思想に大きな違いがあって面白いです。
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自由演技のロボットには面白いものが沢山ありまして、これはペンギン型。ヒレをパタパタして泳いで進み、頭を下げると潜っていきます。実際に水族館でペンギンと一緒に泳がせたことがあるけど、本物より大きいので、だれも近寄って来なかったとか。

自動航行部門はトーナメントで戦い上がる方式ですが、日本勢が全然ダメでして、水中のゲートをくぐったり、ブイに触ったりすると点数が入るのですが、ダイバーに助けられてばかりで全然です。 台湾チームだけは優秀で、なんども得点してぶっちぎりでした。
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競技が終わった後はJAMSTEC構内を見学。ちょうど しんかい6500が整備に入っていたので実物を見ることができました。これ、結構おおきいんですけど3人しか乗れないんですよね。乗るところは丸いチタン製のボールで胸の部分に埋め込まれているのですが、残りの部分はほとんど機械とウキです。全体が防水かと思ってたのに、ぜんぜん違って、いろんな隙間から海水は入り放題。潜るときは鉄の板を積んで潜っていき、海底に到着するのに3時間かかるそうですよ。そして重りを少し落として海底調査を2時間して、重りを全部落として浮上するのに3時間。全工程8時間もかかるそうですよ。 それにしても重りで沈んでいくとは思わなかったなぁ。潜水艦みたいな仕組みだと思ってました。
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記念にしんかい6500と握手をしてきました。もちろん固いです。