テスラ、モデルSを試乗してきました
また、東京モーターショーがやってきましたね。この前は2年前?乗用車と商用車を2年づつ交互にやるのかとおもいきや、今年はどっちも飾ってありましたよ。で、モーターショーで飾られてたクルマ全体の話は、別の機会にするとして、今回は、テスラのモデルSに試乗するチャンスがあったので、そのお話です。
テスラ、ってどこのメーカーか知らない人が多いと思いますが、アメリカ、シリコンバレーでベンチャーのようにやっている会社で、もう、相当大きくなって、トヨタと技術提携したとか、いろいろ話題があります。トヨタが目をつけるというのは、どこかしらに素晴らしい技術があるんでしょうねぇ。テスラに足りないのは生産技術?
一番最初に作られたのはロードスターで、かなり馬鹿高く、ごく一部の人しか購入できなかったようですが、今回のモデルSは、高級輸入車の部類で手にはいる値段。 といっても、日本での販売価格は発表されていなくて、たぶん700-800万円がスタートで、一番上が1000万超えぐらいという話。来年春から納車が始まるということです。
東京ビックサイトの西館の1階すぐのところに、実は1台、モデルSが置いてあります。こちらは、あまり皆さん気づかないようで、そんなに混み合っていません。運転席で説明を聞いている人がいたので、後部座席で一緒に聞いてみました。
それにしても大きなコンソールじゃ!17インチ液晶モニタ。もうPCが1台そのまま載っているようなもの。地図はGoogle Mapだし、車両設定、音楽、Webなど、なんでもできちゃう。Webが開けるということは、twitterやFacebookも開けるということ。全画面で1枚か、上下2面にわかれるかが基本的なスタイル。
とにかく、すべてのことがこれで出来るので、機能が沢山あってもボタンがまわりに散らばっていない。スッキリ。ハンドルまわりにはリスト操作や音声認識の多少スイッチはありますけど。 あとインパネも全面液晶。地図をこちらに写したりもできるそうな。
背が低いクルマだけど縦が5m近くあるから、頭上高もまあまあ。屋根は全面ガラスのようです。
全体的にはこんな感じ。内装は少し未来的な部分もありますが、こなれてます。西暦2100年の未来車とか、とんでもないコンセプトカーデザインじゃない。ちゃんとしてます。
EVなので、ボンネットの中も荷物室。小さいゴルフバッグぐらいなら入ります。
トランクは5人乗車ならハッチバックの広いスペースですが、オプションに7人乗車にすると、こんなことになります。小学生なら2名乗れるかな。 しかし、ここにどうやって乗り込むと思います? 聞いたら、荷物のように後ろから乗ってシートに縛り付けるのですと。まだ、認可申請中で、本当にシートとして認められるかどうか微妙。
ドアノブは格納式で、キーを持って近づくと飛び出してきて、カギを閉めるか走りだすと収まるという仕組み。空気抵抗が減っていいだろけど、慣れないとどうやって乗り込むのだか考えてしまいます。実際、タッチしたり押したりしてみましたもん。
実際に動いている様子はこちら。試乗したときに撮影したものです。
さて、これがボディが外れたシャシーです。すごいフラット。平らな部分にはバッテリーが載ってます。
後輪駆動で、モーターとインバーターが並んでます。すごい簡単な動力源。
フロントもすごい簡単。機械がとても少ない。これでほとんどの機械が付いているんだと。電動パワステ、インバーターエアコンなど。パイプ類が見当たりません。ホースも。前輪の前側には大きなファンが2個ついてます。何かを冷やすようです。
とても変わっているが、この前足の構造。回転軸がタイヤの中心になるように、ぐねっとしたアーム。こんな形、初めて見たわ。ダンパーは空気バネ、つまりエアサス。
で、ここまで見て何か気がつきません? まず、シャーシーがミニ四駆みたい。それから、一番凄いのが油や水っぽいものがない!フロントブレーキに油圧ホースが見当たらない。このクルマには油圧装置が1つも載っていなさそうです。後で調べてわかったことですが、ブレーキは電磁式らしです。ということは、油は使ってないし、水はウィンドウウォッシャーぐらいかな? エアコンの冷媒はあるだろうけど。 ここまで作りが違うシャーシーは初めてみました。これなら、電気屋さんとメカ屋さんだけで作れるわ。
これ、修理やメンテナンスはどこでやるのか聞いたら、東京と大阪には拠点があるけど、壊れでもしないかぎりはオイル交換の部類のメンテナンスはしないつもりらしい。 ははーん。スマホと一緒ですよ。壊れでもしないと、docomoのショップに持って行ったりしないでしょ? タイヤが減ったって、その辺のお店で交換できるし、ウォッシャー液がなくなれば自分で足すし。電化製品と一緒。油を使っていないってのは、そういうメリットがあるんですな。
で、いろいろお話してたら、試乗できるという。場所は東京モーターショー会場から離れたメガウェブ。トヨタがやってる施設です。行ったことないけど。そういえば、トヨタとテスラって、技術提携みたいなニュースが流れていましたよね。だからトヨタに協力してもらっているらしいです。 作っているのもシリコンバレーの旧トヨタの工場を買い取って生産しているんですと。シリコンバレーにトヨタの工場ってあったのかな。
この白いのが試乗したやつ。ナンバーが500って書いてあるけど、一番バッテリーが大きな500km走れるやつなんだろうか。
シートに座って位置を合わせる。 ん? シートの位置合わせのボタン形状に身に覚えが。 ハンドルを握る。 あれ? これってメルセデスのノブとそっくり。 ねえねえ、これメルセデスのハンドルとかと一緒でない? はい!ご名答。そのとおりでした。
さて、位置を合わせて、スタートボタンは? ない? ないの? スタートボタンがないのです。カギをもって乗り込んでブレーキを踏んで、Dレンジに合わせたらすぐに出発。 不思議-。 まあ、スマホって電源切りませんからね。スタンバイというかレジュームというか。このクルマのコンセプト、ほんとスマホみたい。 じゃ、走り終わって駐めるときはどうするかというと、鍵を持って降りて離れる。それだけ。勝手にOFFのような状態になる。乗るときはカギをもって近づくと、ドアノブが出てくるので乗り込むだけ。
じゃ、行ってみましょうか。ブレーキから足を放すとそろりと出発。まったく音無し。ここまでは普通のEV。交差点を曲がって暫く走る。重心が低いなぁ。乗り心地もいい。バッテリー積んでると大体こんな味になるんだよね。で、ストレートが続く道に出て、アクセルをガバっと踏んでみる。一瞬、後輪がズリッと滑るが、シューーーン、というか音はまったくしないんだけど、すごい加速。0-100km/hが4.4秒ですと。その辺のポルシェより速くない? むかし、C63とか試乗したとき、ブルンブルンのエンジンをぶん回してドッカーンと加速していきましたが、こちらは音もなくヒューンとしょっぱなから速い。アクセル踏んだ瞬間加速するし。すっげー、今まで乗ったクルマで一番速いわ。面白くて癖になりそう。
アクセルを放すとかなり強力な回生ブレーキが効く。強さは2種類あって、スタンダードなやつでも、アウトランダーPHVの最強レベルより強いかも。 それに、凄いのはシャクリがでない。滑らかに減速する。アウトランダーは、グワン、グワン、グワンとシャクリが出て滑らかじゃないんです。凄いわ、これ作った人。
この状態だと、街乗りはアクセル1本だけでほとんど運転できて、最後に完全停止するところだけ、ブレーキを踏むぐらいで大丈夫。
EVはインバーターのキーンという音がするもんですが、なぜかしません。ロードノイズしかしない。送風音も聞こえない。エアコン入っていないのか? 周りのバスやトラックがうるさい。
いやー、凄いもんですよ。これ2作目ですよ。確かにクルマの格好してますけど、作りがラジコンというか巨大ミニ四駆というか。油を使ってないし、ぜんぶ電動。メンテナンス不要。しかし、1年点検とか車検はどうなるんだ? ブレーキもあまり踏まないからディスク減らないだろうし。 やっぱり、EVはこうでなくっちゃ。ガソリン車もありますが、EVもあります、みたいな作り方じゃないんですよ。 ぼちぼちBMW i3とか入ってきますが、どう戦うんでしょう。最新のi8より速いのです。
P.S.
すっかり舞い上がった気がして、書きそびれていたことを追加します。
Bピラーが太いです。ですから路地から大通りに出るとき、右の安全確認をしようとしたら、柱が邪魔です。
カギがモデルSの形をしていて、トランク部分をクリックするとトランクが開き、ボンネットをクリックするとボンネットが開きます。わかりやすい。
次に予定しているモデルX(SUV型)は、モデルSより値段が高くなるかもしれないと言ってました。カブリオレはまだ計画には無いそうです。しかし、次を狙うならもっと値段を安くしたものを考えるのではないかと。500万ぐらいの。