日産リーフと1週間暮らしてみました

最近、日産がリーフをモニターで貸しているらしくって、ちょっと電気自動車の実力を試してみたくなったので1週間借りてみました。まだ、途中ですが、だいたいのことはわかってきたので、ここらでレポートします。
電気自動車といえば、やっぱり気になるのは航続距離の短さ。日本にやっと入ってきたテスラ モデルSは最高で500km走れると言ってますが、それは果たして本当なのか? リーフは220km走れるというけど本当なのか? 充電するのは面倒なのか、コストは安いのか。電気自動車って乗り心地はどうなのか。など、試乗だけでは分からない普段使いの勝手って、やっぱり長く乗ってみないと分からないと思いまして。ちなみに、このモニターにはお金は掛かりません。週末だけでも借りられるし、1ヶ月とか借りて、実家まで何回も往復した人もいるそうです。 高速道路の充電スポットで必要なカードも貸してくれますし、日産のお店で充電すれば無料です。
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日産のWebページから申し込みしたら、近くのディーラーから連絡がありました。ので、お店の人と打ち合わせします。どんなふうに使うとか、充電はどうするとか。そう、この前、スカイラインのガソリン2Lを試乗しにいったとき、ついでに打ち合わせてきました。 買った人は家で充電しているそうですが、100Vでも充電できるというので、私の家でもできるかと思いきや。 専用のコンセントを設けないとダメだそうです。 長期でもないので、お店で毎回充電することにしました。 お店の急速充電器は24時間使えるので、いつもで行って充電できます。
あと、横浜から裾野の富士山麓まで行きたい相談をしたら、満充電では到達できないと思うので、東名の足柄SAか御殿場のお店で充電することを勧められました。 え? 220kmはしるから110km離れたところなんて楽勝じゃないの? いえいえ、ガソリンの燃費が大抵6割しかないように、この電気自動車も同じようです。満充電にして借りましたが、98%の残量で144kmと出てます。220kmのだいたい6割です。 そっかー、EVもこうなっちゃうのか。これまたややこしいことに。 それから、横浜から御殿場方向は登りになるので、それも電費が悪くなる原因になるし、高速走行は風の抵抗が出てくるから、それも悪化する原因になるし。 つまり、私の使い方はEVにとって良いことはないんですわ(^^ゞ
で、借りたリーフちゃん。まだ94kmしか走っていない新車でした。グレードはSという一番安いやつ。ナビが純正でなく、カロッツェリアのEV用のナビ。近くの充電スポットを探したり、電費表示ができるようにカスタマイズされたやつ。 ま、知らない土地に行くわけじゃないし、地図が出て、ETCがついていれば困らないからいいっか。
まず、普段使いの方から。横浜まで往復したり有料道路をビューンと走ったり、そういう使い方していると、電費のほうは7km台で、たぶん平均的な値。 EV車としてのいいところと悪いところを挙げてみましょうか。
❑いいところ
モーターのトルクが太いのはとても運転しやすいです。一番感じるのは裏道をチョコチョコはしって加速減速カーブを繰り返すようなとき、アクセル操作のレスポンスがいいので、思い通りに操れて、運転がうまくなった気になります。 ちなみに、モードは普通のとECOと2つあるのですが、ECOにすると回生ブレーキの効きが良くなって、町中の運転にはちょうどよいです。しかし、同時に発進の力強さも減るので、そこんところは残念。
ガソリン代が掛かりません。電気代は掛かりますが、家で充電したとしても従量電灯Bの契約なら1kWhあたり25円ぐらいなので、ハイオク170円で燃費が10kmの車と比較すると、およそ5分の1のになります。さらにおトクなナイト10のような夜間の電力が安くなる契約を使えば、1kWhあたり12.5円ぐらいの半分になるので、ガソリン代が10分の1になります。加えて、日産のお店にいけばサポートプログラムとかに入っていると無料で充電し放題。
❑悪いところ
まず一番にあがるのは航続距離の短さ。144kmって1日ではなかなか使いきらない距離ですが、隣の県に行くような場合には、充電スポットを下調べして出かけないととっても心配。 たくさん充電スポットがあるようにコマーシャルされてますが、日産のお店には確かに充電器は置いてあります。しかし、ゆっくりの普通充電と30分で80%まで貯められる急速充電が入り交じっていて、当然、急速充電のほうが圧倒的に少ないです。急送充電器が設置してあるのは5軒に1軒ぐらいの割合? だから、日産のお店がたくさんあるから大丈夫と思ってはいけません。
急速充電に時間が掛かります。1回の充電は機械に30分と設定されているので、どれだけ貯まったかなによらず、30分で終了。空っぽの状態からでも80%まで回復するという触れ込みは本当のようで、2日間充電しなかったら、電池残量が16%まで減ったことがあって、充電しろランプがひかり、航続距離が30kmを割ったら点滅しはじめ、ハラハラでしたが、この状態から30分の急速充電で89%まで回復しました。しかし、30分もボーッとしているのは退屈。遠出の休憩でSAに停まっている時なら、トイレに行ったり買い物したりで時間は潰せますが、夜中の日産のお店が閉まっているときには何もすることがないです。 あと、充電しにお店にいったとき、先客がいれば、最大30分待たされて、そのあと30分充電しますから、最大1時間待つかも知れません。 実際、御殿場のお店にいったとき、先客が充電中で開始したばかりだったので、先に買い物を済ませてからお店に戻りました。
❑ガソリン車だと思って感じたこと
バッテリーを下に積んでいるので低重心かと思いきや。実際、試乗のときはクラウンみたいだな、と感じてましたけど、全然そんなことはありませんでした(^^ゞ ホイールベースが短くて、運転手の頭の位置が高いので、道路の繋ぎ目で前後方向に揺れると、頭が振られるように揺れます。 もっと運転姿勢を低くしたら良かったのに。
また、サスペンションの硬さが微妙で、固めにしてあるようですが、減衰力が弱いので、揺れの収まりにお釣りがきます。 なんでも、シャーシーはTIIDAのようで、もっと軽い車向けに作ったシャーシーを使っているからだと思います。 次にEV作るときは車重にあったシャーシーを専用設計してもらいたいです。
エンジン音はしませんがインバーターのキーンという音は結構します。高速道路を走っているときはキーン音の周波数が高くなり、ロードノイズが大きくなるので、だんだん気にならなくなりますが、低中速ではかなり気になります。値段が違うので比べちゃいけないでしょうが、テスラのモデルSはインバーター音がほとんどしませんでした。
エアコンの設定がエコになっているせいか、室内は全体的に曇りやすいです。梅雨の時期に曇るのは辛い。フロントのデフロスターをONにするとエアコンがONになって、さらに温めるようで、いちばん電気を食うようです。 しかし、想像していたより航続距離が短くなりません。10kmぐらい減るでしょうか。 このリーフは2台目の設計で、その辺は改善されているのでしょう。
というわけで、普段使いで家に充電設備があって、半径20kmぐらいしか行動しないのであれば、電気自動車はとても魅力的です。 なんといっても維持費が安い。 プリウスのような燃費が優秀な車からの買い替えだと、そんなにお得感はないでしょうけど、リッター10kmぐらいしか走らない車で、年に2万キロぐらい走るのあれば、とてもおトクです。
ガソリンもじわりじわりと上がってきて、気づけば170円を超えてきていますが、ここらで考えるのもいいかもですね。 それにしても充電スポットをもっと充実しないと、遠くに怖くていけません。