宮古島の地下ダムってご存知?
伊良部大橋を渡ってみるのが最大の目的だったのですが、宮古島のあちこちも回ってみました。で、珍しいものがないかなぁ、と探していたら、地下ダム資料館というものが。
地下にダム?
なんか変なことになってますよね。普通、ダムというのは地上にあって、川をせき止めて水を貯めるものなのですが。なので行ってみることにしました。
これがその地下ダム。どういうことかというと、この地面の下に大量の水が溜まっていて、それを組み上げて農業に利用しているそうです。 で、ダムとはどういうことなのかというと、仕組みがやっと分かりました。
これは宮古島の一番東にある東平安名岬の灯台に登って撮った写真です。まっ平らの島なことが分かります。山らしいものがありません。宮古島はサンゴ礁の島が隆起してできたので、山も無ければ川もないです。だから水を確保するのが大変。
しかし、本当にまっ平らではなくて、西から東に向かって走っていると、大きなうねりをいくつも越えていきます。このうねりが断層で、島は地面が押されて断層ができてずれて持ち上がってできたようです。衛星写真では赤い線の方向に何本か筋のように見えます。そうすると、断層の近くでは三角形のずれた場所ができます。
地面は2つの層があって、上の方は石灰岩で水をよく通す層。下は粘土で水を通さない層。そうすると断層の部分に水をせき止める止水板を打ち込むと、水色の部分に水が貯まるわけ。これが地下ダム。なるほどねぇ。よく考えたわねぇ。
そして、掘った穴の中に水が顔を出しているのが溜まっている水の水位。この施設は溜まっている水の量を観測するためにあるようです。雨が降って水位が上がると、むこう側から手前に向かって、切り欠いてある部分から水が溢れ出て、海に流れていくそうで。ちょっとその様子も見てみたいですねえ。
とまあ、あまり有名ではないようですが、技術屋にとってはとても面白いところです。