首都圏外郭放水路の見学

コロナ禍で緊急事態宣言も延長されそうですが、クルマで埼玉までビューン!と行ってきました。目的は首都圏外郭放水路の調圧水槽、通称:防災地下神殿。一度行ってみたかったんですよねぇ。去年の今頃も見学の申し込みをしました。ところがコロナが流行し始めて、見学はキャンセルされ、また再開したので予約、またキャンセルされ。3回ほどキャンセルされたので諦めました。今回は、1都3県に緊急事態宣言が出てますが、この施設は国の管理なので感染対策しながら見学会をやっています。

到着

午後2時からの見学の受付は、30分前から開始です。それに間に合うように現地に到着しました。この茶色い建物、中に入っている機械は、水を汲み上げるポンプと川に流す通水路の水門です。

現地の建物、上には展示室があるがコロナで閉室中

受付を済ませて、時間があるので屋外の展示物を見に行きます。これ、立坑を繋ぐ地下トンネルを掘ったときのシールドマシンの歯。似たような巨大なのは、アクアラインの人工島にも飾ってありますね。

トンネルを掘ったときのシールドマシンの歯

見学開始

時間になったので集合。最初に首都圏外郭放水路の概要について説明を受けます。東京も埼玉もよく分かっていないので、利根川・荒川・江戸川ぐらいしか知らず、いろんな川があることを知りませんでした。

龍Q館の1Fで説明を受ける

第1立坑

説明を聞いた後、まず第1立坑に向かって移動します。途中、こんな広場があるですが、サッカー競技場ぐらいでしょうか。実は、この地下が防災地下神殿と呼ばれている施設で、上はグラウンドになってます。

防災地下神殿の地上部分

第1立坑の建屋に入ったら、まず命綱のハーネスを身に着けます。命綱の先はローラーになっていて、これをどこかに挟んで移動できるみたいです。

第1立坑に降りる前に命綱をつける

第1立坑に入りました。直径31m、深さ71mでスペースシャトルがすっぽり入る大きさだそうです。スペースシャトルに乗ったことあります? 私は乗ったことがないので大きさ感が分かりません(笑)ちなみに、命綱を付けてあるので人間は落ちませんが、スマホは過去に2台落ちていったそうです。落ちたら拾いにはいけません。諦めてください。

第1立坑

かなり高い、というか深いので、高所恐怖症の人は見学できないかも知れません。でも命綱あるので大丈夫。ローラーが付いた移動式の命綱です。

移動式の命綱
命綱をつけて移動している様子

あそこに見える大きな四角い穴。あれが地下神殿と呼ばれている調圧水槽です。つぎはあそこに移動します。

第1立坑から見える地下神殿

防災地下神殿(調圧水槽)

さて、お楽しみの地下神殿に向かいます。入り口はなんの変哲もない地上にあるコンクリートで出来た建造物。元々、見学用に作っているわけではないので、とても簡素。説明を受けてから116段の階段を降りていきます。安全のため、下に降りるまでは撮影とかできません。

地下神殿への入り口

はい、降りてきました。116段の階段は降りるときは大したことないです。自由時間の前に一通りの説明を受けます。

地下神殿で説明をうける

長さ177m、幅78m、高さ18m、柱が59本あって、1本の重さが500トン。柱が重いのは、水が入っていないとき、この器が浮き上がってくるのを抑える意味があるらしいです。まわりの土に押されて浮くのかな?

これが地下神殿

この柱にある2つの看板。上が水が入ったときの高さで、下がこれ以下になったら排水ポンプが空回りするので停止する高さ。あの上まで水が溜まっているのも見てみたいな。

水が入ったときの水位の看板

そうそう、専用のARアプリがあって、それで地下神殿をみると、水が入ってきたときの様子が分かります。でも、川の水だから、実際にはこんなにキレイじゃないと思うんですけどね。

川の水が入ってくるとこんな様子になるというARアプリ画面

第1立坑側には、車止めのような突起が並んでます。実は、この地下神殿は水が入ると堆積物がたまるので、それをブルドーザーで片付ける作業を毎年やっているのですが、ブルドーザーが誤って第1立坑に落ちないように設置されているものです。見学できる場所は、水が入ったあと、機械と人手で泥を撤去してキレイにしているそうです。大変だ。水が入った様子も実際に見てみたいな。

ブルドーザーが落ちないようにする車止め

まとめ

この見学コースは一人3,000円です。他にもいくつかコースがありますが、詳しくはホームページで。事前予約は必要で、予約時にカードで支払いするのと、現地で払うのと2通りあるみたいです。

この施設、第1立坑から第5立坑まで、ぜんぶ合わせて2300億円かかったそうで。でも、出来上がってから周辺の洪水は起きていないので経済効果はとてもいいそうですよ。

もともと観光施設ではないので、見学するための設計はありません。第1立坑の命綱は見学用に作ったと思います。最初から見学するための仕掛けにしたら、もっと大勢の観光客がやってきて流行ると思うんですが。日本は土木技術が発達していますが、海外にはこの手の施設はないそうで、外国人はびっくりするそうですよ。