ベンツVベルトの鳴きドタバタ劇④

役に立つかもと買っておいたKUREのベルト鳴き止めスプレー。これはベルトの内側、つまり山がある側にスプレーするものです。ちょっと使ってみます。良くなるといいな。が!とんでもないことに

KUREのベルト鳴き止めスプレー

やめときゃよかった

スプレーをしたところとんでもなく鳴き出しました。なんだこれ?良くなるどころか最悪です。YouTube映像でどうぞ。こりゃ困ったぞ、やるんじゃなかったと後悔しても遅し。スプレーしたベルトを触ってみると表面がなんとなくネッチョリベタベタします。これは滑っているベルトの摩擦力をUPして鳴きを止めるという仕組みらしいです。キュルキュルどころか金属音ぽい音もします。摩擦力がUPして鳴きが出るなら、KURE556をベルト内側にスプレーしたら収まるのか?音がしているっぽいウォーターポンプのプーリーや溝ありガイドプーリーに少しスプレーしてみた。音が消える。さー、どうする家康(笑)

元に戻すには

スプレーする前に戻したいのだけど、ベルトはネッチョリするから使わないほうがいいな。灯油で洗ってもいいけど、それよりディーラーで交換してもらった純正品に戻そう。さらにプーリーに付着している可能性もあるからパーツ洗浄スプレーをかけて洗ってみる。ベルトを外してすべてのプーリーに洗浄剤をかけて洗い流す。でも、あの金属音のような音はどこから来るんだろう。簡単に取り外せる溝ありガイドプーリーを外して溝を灯油でよく洗ってみる。でも、この大きな金属ワッシャーって何のためにあるんだろう。なんか違和感。

金属ワッシャーは何のために?

機械いじりが好きな人なら分かると思いますが、プーリーの中にはベアリングがはめ込まれています。ベアリングは内側と外側に分かれていて、間にボールなど転がるものが入っていてなめらかに回転しますが、この内と外の境目を覆うような大きな金属ワッシャー。このワッシャーは以前、エンジンルームの下に落としてしまい取り出すのに苦労したあのワッシャーです。

溝ありガイドプーリーとワッシャ

ずいぶん大きな平ワッシャーです。外形32mm、内径17mm、厚さ1mm。内側に擦れたような跡があります。これはいつできた傷なのだろう。このワッシャーを入れてボルトで締め付けた状態はこんなふうになります。灰色の土台(ウォーターポンプ)からちょっと台形の棒が出ていて、そこにオレンジのワッシャーが入り、次に溝ありガイドプーリーが入り、赤がボルトで黒がプラスチックっぽいスペーサーで緑がカバー。一見正しいように見えますが、黄色のベアリングと回る外側と一体のプーリーに覆いかぶさるようなサイズのワッシャー、っておかしくないですか?もしワッシャーが位置を調整するためならもっと小さい径でないといけないし、回る外側に当たらないように黄色はもっと飛び出ていないと。それがほぼツライチなんですよね。ワッシャーがカバーだとしても擦れるような平ワッシャーじゃ駄目でしょ。ボルトで締める側の緑のカバーは当たらないような形状をしているのに。

溝ありガイドプーリーの取り付け位置関係

金属ワッシャーって不要なんじゃ?

納得いかない構造なのでワッシャーを外してみることにしました。だってですね、整備マニュアルには出て来ないんですよ、このワッシャー。ボルトやOリング1つまで番号で管理されているのに、このワッシャーには何も刻印がないし整備マニュアルのテンショナー交換の図にも、ウォーターポンプ交換の図にも出てこない。これ本当に必要なワッシャーなのか?

120番の後ろにワッシャーが書いてあってもいいのでは?
ウォーターポンプの部品の位置一部でもないらしい

ワッシャーをすべて外す

大きな金属ワッシャーの有り無しで、溝ありガイドプーリーは1mmだけ手前にずれていることになりますが、ディーラーのサービスに説明しても不要なのではないかという意見。それに溝なしガイドプーリーにワッシャーを挟むと音が消えるという話は前々からしてあって、それについてもサービスが調べた結果、マニュアルにはないけど、0.5mmと1mmのワッシャーを使ってアライメントを調整する方法があるらしい。それには2mm以上にはしないでくださいと。だったら大きな金属ワッシャーも自分が取り付けた小さいワッシャー2枚も取り外してみたらどうなるんだ? と全部はずしてみました。鳴かない!ぜんぜん鳴かない! このでかい金属ワッシャーが入っているのが諸悪の根源なんじゃね? これが本来の設計どおりのアライメントじゃないのか。誰だ?このワッシャーを入れたのは?犯人はディーラーのメカニックしかいないのだが(笑)

翌日にテスト

さあ、原因が取り除かれたっぽいので、本当に治ったのかテストです。翌朝7時、気温0度、エンジン始動!鳴きません! 8時半、気温2度、駅まで送迎にいきます。鳴きません! 昼、気温7度、買い物に出掛けます。鳴きません! さらに翌日、朝8時半、気温1.5度、鳴きません! 完全復活。

これはどういうことなんだろう

考えられるのは、届いた部品にワッシャーが入っていたので、取り付ける場所はここしかないからメカニックが付けてしまった。または以前にハマっていた溝ありガイドプーリーと今回のプーリーの形状が多少変更になっていて、以前のにはワッシャーが必要だったけど、新しいのには不要。でもワッシャーはそのまま残した。この2つぐらいしか考えられないのですが。

ネットで部品を検索すると、ワッシャーが写っている写真と無いの写真の2種類があります。この辺が怪しいところです。

ワッシャーはOEM品の付属品?

なぞのワッシャー、これがどこから来たかですが、YouTubeのsea-onチャンネルという動画のなかで発見しました。このワッシャーは明らかにOEM品の裏側についているものの様です。内径にピッタリの盛り上がりがあってハマっています。ということは、交換後が純正で交換前がOEM品だったのでしょうか? しかしこれまでディーラーにしか修理に出したことがないクルマにOEM品が使われていたというのも変な話。

OEM品を手にして眺めているときの映像、そっくりのワッシャーがある

結論

昨年の2月から始まったVベルト鳴きの修理ですが、ほぼ1年かかってやっと完治しました。ディーラーのメカニックも怪しいものです。これを治すために自分は何十時間の作業をしたことだか。新しいベルト、トルクスレンチ、いろんな材料を買ったり実験したり。ディーラーに20万円ぐらい請求してもいいと思うんですがね。