アジアンタイヤ NANKANG SV-1のレビュー
先週末、みなさま雪でお疲れ様でした。いやー、朝起きたときはそんなに積もると思ってませんでしたが、勢いが衰えず、どんどん積もっていくので、これはヤバイんじゃないかと、カーポートが潰れないように支えの棒を出しましたよ。たぶん10年ぶりとかそんな記憶。
うちの近辺の積雪は、植木鉢計測で37㎝ぐらい。気象庁では横浜が13㎝とか言ってましたけど、ぜんぜん違う。神奈川でも積もり方に結構ばらつきがあるようで、日曜に川崎にいったらほとんど雪が消えてるし、火曜日に相模原にいったら結構まだ残ってる。きっと気象庁が観測したところはあまり降らなかったんですね。
土曜日は流石に出かける予定がありましたがキャンセル。で、日曜日には車で出かけたのですが、近所の裏道が15㎝ぐらいグシャグシャに残っていて大変。少しスロープになっていると軽2WDの配達車は登って行きませんでした。
というわけで、この初のアジアンタイヤ NANKANG SV-1をいろんな場面で試すことができたので、ここらで1回まとめておこうかと思います。まだ、体験してないのは凍結のピカピカです。黒光りするミラーバーンみたいなのは試してません。
結論からいうと、新雪、圧雪、シャーベットなら、これまでのブリザックとそれほど変わりません。というか違いが分かりません。20年ほど前はタイヤサイズが205でしたが、いまは235なので、だんだん雪道は苦手になってきてます。十分に車重が掛からないので、大した違いは出ないです。 しかし、ゴム質がゴムっぽいので凍結は負けるのは間違いなさそうです。水を吸うような感じがありません。圧雪でスリップしてピカピカになった道も試してないので評価できません。
要するに、関東のようなたまにしか降らず、直ぐにシャーベットになってしまうような地域では、これで十分いけます。
次に特長を上げましょう。
目次
高速安定性
タイヤの肩がなだからで角が立っていません。高速安定性は普通の夏タイヤと変わらないぐらい安定しています。直進もいいし、地面のうねりに足を取られません。
乗り心地
このタイヤ、全体的にやわらかいです。なんというか全体がバランスボールっぽい。だから突き上げのガツンというのは小さいです。その代わり、揺れの収まりが遅いです。横方向にはワンテンポ遅く、ブレーキで止まるときも完全静止してから前後にユサユサ多めに揺れます。タイヤの皮の厚さが均等でどこにも硬さの違いがないような雰囲気です。
乾燥路グリップ
実はビックリするぐらい乾燥路でのグリップがあります。有料道路合流でのアクセルベタ踏みとかでもスリップしません。ブリザックは滑ってEPSが介入してくるようなシーンでも、空回りする感覚がないです。
とは言っても、夏タイヤを10、冬タイヤを5だとしたら、7か8ぐらいのグリップですが。
ですから、ブリザックではとても100km/hで進入する勇気がでない急カーブでも、100km/hで入っていけます。乾燥しているときだけですけどね。
雨の日のグリップ
これもまた、かなりグリップします。ブリザックは雨の日に水をすってスポンジのようになり、とても滑りやすくなるタイヤでしたが、このSV-1は水を吸わないので特に滑るようになるようなことはないです。あと、水たまりの排水もかなり良いです。
騒音
最初は大きめかな?と思ってのですが、ウナリ音がしません。ほら、走っていて信号で止まるとき、徐々に速度が遅くなってくると、ある速度域でウォーンという唸り音がしますよね。あれがありません。だから、助手席に乗っていてもスタッドレスタイヤと気づかないと思います。ただ、ブレーキングするとき「シュー」という独特の擦れるような音が微かにします。地面とタイヤの間で発生している音です。
総合すると、結構、これでいいんじゃね? と思っています。問題は凍ったところだけ。普段、雪のない道を走っているときは、夏タイヤの雰囲気に近い走り方ができます。要するに無理さえしなければ夏タイヤと変わらないです。
これはスタッドレスタイヤというより、オールシーズンタイヤに近いのではないでしょうか。日本ではほとんど売っていませんが、アメリカでレンタカーを借りると、必ずといっていいほどオールシーズンタイヤでした。で、デンバーからアリゾナに向かって走ると、山を超えると大雪、それも20㎝とかあっという間に積もるし、下に降りれば砂漠みたいにアスファルトあちち道だし。そういう気象変化が激しい所を走るので、みんなオールシーズンタイヤが付いているのですが、あの時のタイヤとかなり似ているような気がします。
あとはカチカチに凍った道と、ピカピカに磨かれた道を試すのみですが、夏タイヤ感覚でずっと履き続けていてもいいような気もします。無理してコーナー突っ込んでいくとか、車間詰めて急ブレーキ踏むような運転さえしなければ。
なんだー、そんなに褒めたら悪いところないじゃないか。と言いたいとことですが、明らかに劣るところが2つあります。
1つは、製造精度。バランスが悪く、ちゃんとホイールバランス調整しないとブレが大きいです。重りもたくさんついてます。平均60gぐらいは付いているような。もう1つは仕上がり。側面にゴムのバリが普通に出てます。私はあまり気にしてませんが、今の日本製ならバリなんか出てないでしょう。そういえば、国産やヨーロッパのタイヤは側面にピンのようなヒゲがよく出てるじゃないですか。バリが出てるってことは、タイヤを作る型の方式が違うような気がします。
さあ、4月まで履いて、もう来シーズンも履いて、2シーズンで4万円で交換なら、とても安上がり。
頑張って3シーズンで12万円で交換するよりいいかも、と思っています。
履いたばかりの様子は、こちら、をご覧ください。